サムサーラ ワインス・パブロ チャコン

     古くて新しいワイン造り・ロンダワイン界の新星

 2008年、ロンダのワイン界に、若い作り手が登場しました。卓越したワインを造るボデガ「サムサーラ ワインス」を設立したパブロ・チャコンです。

 パブロは、二十歳でゼロからワイン造りに挑戦し、伝統や、経験値がなくても個人の努力で良質なワインが造れる事を証明してきました。

 大切なのは、ブドウが栽培される土地・環境を熟知するだと彼は言います。「僕のワイン造りと人生感は、仏教に強い影響を受けていて、人生には周期があるという概念や、地球上のすべてのものが環境に影響を与え合うということを強く信じている。」パブロが伝統的なワイン造りに新たなものをと考え、得た結論は、自然への回帰と古くからの醸造方法を採り入れる事でした。徹底的に自然と付き合い、自然の力と人間の手で作る有機ワイン。これが彼のワイン作りの哲学になっています。

 「ワイン造りの経験はなかったから、若い学生がやることを僕もしたんだ。つまり、本で勉強すること。でも、参考にした本がスペイン北部でのワイン造りの本だったのが間違えの始まりだった。本の通りにブドウ栽培を始めたけど、大失敗して、振り出しに戻った。環境が違うロンダでのブドウ栽培には合わなかった。そんな時、ロンダのワイン造り復活の立役者ヴェタスや、シャッツの様な尊敬していた造り手が手を指しさし伸ばしてくれたんだ。ロンダでの有機栽培の知識を彼等は教えてくれた。彼等は僕の師匠なんだ。それに、古代ローマの文献なんかも研究した。こうやってブドウ栽培を続けている内に変化が見えてきて、良質なブドウが出来るようになったんだ。収穫は、真夜中に手摘みでするんだ。日中の熱さを避ける事でブドウの鮮度が保てるから。それは、本当に素敵な光景だよ。友達や家族が集まって、収穫を祝いながら収穫作業をするんだ。こういうワイン造りが、自分の精神に活力を与えてくれる。ワイン造りがなかったら、僕はきっと空っぽな人間になっていただろう。僕には、今、家族とワイン造りがある。本当に幸せな人間だと思う」。